【放射線治療】温度気圧補正係数の求め方を解説【線量測定で使います】

【放射線治療】温度気圧補正係数の求め方を解説【線量測定で使います】
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放射線治療では、線量測定の機会が多いです。
測定には「電離箱線量計」を使うのが一般的です。

電離箱線量計で測定される値は、色んな「補正係数」で補正する必要があります。

その補正係数のひとつが「温度気圧補正係数」です。
他の補正係数について知りたい方は、以下の記事をどうぞ。

>> 参考:【放射線治療】電離箱線量計の表示値Mrawを補正する

今回は「温度気圧補正係数」の求め方を解説します。

内容は以下です。

  • 温度気圧補正係数はなぜ必要なのか
  • 温度気圧補正係数の求め方

順番に見ていきます。

温度気圧補正係数はなぜ必要なのか

電離箱線量計の中には空気が入っています。
空気って環境によって状態が変わりますよね。

「空気の状態」ってどういうことかというと、例えば以下です。

  • 気温
  • 気圧

実は、電離箱線量計の測定値は空気の状態によって変わります。

暑い場所で測定するのと、寒い場所で測定する場合とでは測定値が違うということです。

そこで、どんな環境でも正確な測定値を得るために必要なのが「温度気圧補正係数」です。

温度気圧補正係数の求め方

温度気圧補正係数は「kTP」という記号で表します。

温度気圧補正係数を求める公式

求め方は上記のとおりです。
T」は気温(℃)、「P」は気圧(hPa)です。

気温が 22℃、気圧が 1013.3hPa という空気の状態が基準です。
そのときの温度気圧補正係数は 1 になります。

温度気圧補正係数を求める具体例

例えば、気温 30℃、気圧 1020.0hPa の場合は上記のようになります。

また、試験などで温度気圧補正係数を求める場面があるかもしれません。
そのときに気圧を hPa ではなく、kPaで与えてくる場合があります。

温度気圧補正係数を求める具体例

気圧の単位が kPa の場合、温度気圧補正係数の求め方は上記のようになります。
1013.3」が「101.33」になっただけです。

というわけで、記事は以上です。

参考資料:外部放射線治療における水吸収線量の標準計測法(標準計測法 12)